Memory ―悠紀―


あれは桜舞い散る4月―…

「下剋上しませんか?」

初めて同じクラスになった日。私は誘いをかけた。

「…水上にしては面倒な事を考えたものだな。」

彼は呆れたような声を出した。


そう…下剋上なんて面倒な上、成功する保証もない。実際、上手く行った例は1つもない。

私の提案は叶うことのない夢物語のようなもの。


だけど、成功するかなんてどうでもいい。

私はただ、彼に見てほしいだけ。


“ライバル”ではなく、
“水上悠紀”と言う
“一人の女”として。


だから私は繰り返す。

「下剋上、しませんか?」


滑稽でも何でもいい。


「私と一緒に。」


振り向いてほしいから。


「どうですか?」


たった一人の、


「…高瀬さん?」



大好きなあなたに。


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