Game ―悠紀―
『30名の鬼から逃げる、それだけです。4時のチャイムが鳴ったらゲームスタート。一時間逃げ切ればあなたの勝ち。範囲は教室棟内。鬼には赤いリストバンドを着けさせておきます。』
それが詳細だった。
放課後になっても悠紀は壊れたままだった…。
「この私とこんなので勝負するつもりとは…愚かな人。眉目秀麗、成績優秀、運動神経抜群な私に勝てるとでも思ってるのかしら。」
誰もいない生徒会室で言う。
「私に勝てる人間なんてそうそういなくてよ?」
悠紀は立ち上がった。部屋の外に出る。
生徒会室の前には赤いリストバンドをした集団が待ちかまえていた。
「さぁ…どこからでもかかってきなさい。私は逃げも隠れもしないわ。」
挑発的に告げる。
チャイムが鳴り響いた。
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