「えと…元気出して?」
事情を知った秋彦がおずおずと言った。
「そうだよぉ。そこにあるの次の指令じゃなぁい?」
ドアの所から羽衣が声をかけた。
葵が顔を上げて指指した場所を見る。鏡に紙が貼り付いていた。
『これで最後になります。
“会長の一番大切なモノ”
それが宝です。タイムリミットは明日の午後六時。それを過ぎたら宝は廃棄。さぁ…あなた達に見つけられるかな?』
三人はそれを見て、言い様のない不安を感じていた。
「なぁ…会長って、高のことだよな…?」
葵が掠れた声で呟く。
「う…ん。…高瀬くんの…大切なモノって…そんなの…一つしかない…」
秋彦も渇きがちになる口を必死で開く。
「…っ!」
羽衣は身を翻した。階段を駆け降りる。葵と秋彦も飛び出して行く。
行き先は教室棟五階、生徒会室。
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