図書室に着いた葵はすぐに次の指令書を見つけた。
『一番近くのトイレ、二番目の個室。』
葵は今までと違って的確な指示に首を傾げながらも、トイレに向かった。
個室に入り、取り敢えず便座に座る。すると、目の前に新たな指令が。
『上を見ろ。』
「………」
葵は頭を目まぐるしく回転させた。
(待て…待てよ、オレ…これはアレじゃないか…?公園のトイレとかにあると噂の…“上を見ろ”→“バーカ”的なヤツでは…)
頭を上げまいとする。
(…いや…これは下剋上だぞ…そんなイタズラみたいなこと…でもこの仕掛人…初めから人をからかってるようなヤツだったし…いやでも…)
悶々と考え続ける。
が、遂に…!
(生徒会を作ろうって人間がそんな低俗なわけがねぇ!)
意を決し、バッ!と見上げる。そこには…
『フッ…バカですね、加賀葵。』
「鼻で笑われたー!?しかも名指しでバカって言われてるー!!」
…てなわけで、葵は落ち込んでいるのでした。
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