「それで結局どこだろうねぇ?異世界への入口って」
羽衣が唐突に話を変えた。

「そもそも異世界ってなんだよ?」
葵もフツーに会話しだした。

二人の切り替えの早さに圧倒されたが、明彦も会話に加わる。

「あれじゃない?アリスの“不思議の国”みたいなの。」

「えー秋ちゃん、あの話は結局夢だったって言うオチじゃなかったぁ?」

「そうだっけ?童話なんて小さい頃読んだきりだからうろ覚え…」

「それだ!!」

明彦の言葉を遮り葵が叫んだ。

「そうか!本だ!!異世界への入口は本だ!」

「えぇ?どゆこと?」
羽衣がビックリして聞く。

「読書は様々なことを知るのにいいって言うだろ?つまり、本は自分とは異なる世界を見るための鍵…異世界への入口ってワケだ!そうと決まれば本が溢れる場所、図書室へ!」
葵は意気揚々と駆けていく。

「そんな単純でいいのぉ?」
羽衣が言ったがもう葵には届かない。

「そんな単純でいいのぉ?」
羽衣が言ったがもう葵には届かない。

「そだねー」

二人は昇降口へと向かった。

< 19 >

[1]次へ
[2]戻る

[0]目次

Tag!小説


トホーム