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―三人寄れば文珠の知恵―

「もういいっ。オレはおまえと言い合ってる程、暇じゃないんだ!」
葵は窓から離れる。

「なによぅ。そっちが声かけて来たんでしょお」
と羽衣はブーイング。

舌戦再開の気配を察知した明彦は急いで話を切り出した。

「あ…葵!宝探しは終った!?」

葵は明彦に振り返った。

「ん?まだだ。今、途中。異世界への入口を探せって意味わかんねぇ指令が…」

「それってぇ、消えろ!!ってことじゃないのぉ。異世界への入口と言えば三途の川でしょぉ。」
羽衣が意地悪く口を挟んだ。

「ははは…そーだなぁ、おまえ一遍見てくるか?あ゙?」
葵が黒い笑みを浮かべながら、ツインテールを引っ張る。

「痛!痛っ!痛いぃ〜。暴力反対!横暴野郎ぉ!」
羽衣が喚いた。

(あぁ…そうか。)
二人のやり取りをぼんやりと眺めていた明彦は、おもむろに口を開いた。

「喧嘩する程仲がいい、だ。」

『は!?』
二人が勢いよく振り向いた。

(ほら、そろってる。)
明彦はニコニコしながら二人の猛抗議を聞いていた。

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