｢ケータイ？｣
葵が聞き返した。
｢そぅ。２つずつくくってあるでしょぉ？前のがキーの番号でぇ、後ろが何回打つかってことぉ。｣
葵に現物を見せながら言う。
｢つまり、この25だと…｣
葵が暗号の一つを指して言う。
｢“こ”って訳か…｣
｢そーゆーことぉ。でぇ、これ全部解読するとぉ、作曲者は誰かって聞いてるの。｣
｢作曲者…この裏の曲のか。サッパリわかんね。｣
葵が裏返した。
｢羽衣、楽器はリコーダーしか出来ないけどぉ、秋ちゃんの幼馴染みだよ？コンサートには一杯連れてって貰ったもぉん。耳で聴けば分かるのっ｣
羽衣が手足をくびーんと伸ばして言う。
｢だから弾いてもらったのぉ。その生徒さんにぃ｣
｢はぁ？敵方の人間がよく弾いてくれたな。｣
葵がちょっと驚いて言う。
｢お願いしたの。この学園に居たければ弾いてって。｣
羽衣はニッコリ。
｢おまえ…それじゃ脅しじゃねぇか…｣
葵はオイオイ…と呟く。
｢えぇ？使えるモノは使わなくちゃっ。｣
クスクスと人の悪い顔で笑った。
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