「理性なんか保ってられないくらい余裕がないものなの、恋愛は!なんたって、“心奪われる”って言うくらいだからねっ。」
羽衣が力説した。

「へー…そーですかっ。違うような気がするけどね、オレは。」
葵は羽衣に小バカにしたように言うと悠紀の方をくいっとアゴでしゃくった。

「ふふふ…どんな卑劣な手を使ってでも勝ってやる…この私に勝負を挑むなんて良い度胸じゃないの…下剋上なんざ仕掛けたことを後悔するがいいわ…ふふふ…」
悠紀は薄気味悪い笑みで、舐めるように詳細を読んでいた…。

「…好きな人のためっつーか、もはや悪の権化って感じだけど。」
葵は羽衣に言った。

「あー…えっとぉ…あれは…たーくんともう2日会ってないから禁断症状が出てるんだよ、うん!」
羽衣は自分に言い聞かすように言った。

「禁断症状って…高は麻薬かよ!」
葵がつっこんだ。

すると、今まで黙っていた秋彦がポツリ。
「恋愛中毒…?」

「あ、そうそう!そーゆうこと!」
羽衣が便乗した。




…何だか悠紀が崩壊してますが、下剋上ゲームの始まりです!

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