その日の放課後。
生徒会室前の意見箱から下剋上の内容を記した紙が見つかった。
『下剋上の内容を。
各自別々のものをやっていただきます。
水上悠紀様:鬼ごっこ
加賀葵様:宝探し
一ノ瀬羽衣様:暗号解読
仙道秋彦様:持久走
詳細は後ほど…』
「また“後ほど…”かよ!」
葵がバンッとテーブルを叩いた。
「名前も書いてありませんね…」
悠紀が呟いた。
「てぃうかぁ、なぁにぃ?この内容ぉ」
羽衣が紙をつまみ上げて言う。
「小学生の遊びみたぁい」
「確かに下剋上にしちゃ、体力勝負な感じだな。仕掛人は体育会系の人間か?」
葵が考えながら言う。
「でもぉ楽しんでるって言うかぁ、こっちを振り回してる感があるからぁ羽衣のイメージでは頭良い理系〜」
「私は犯罪モノの小説が好きな文系の方って気がします…」
と、悠紀。
「誰でも良いけど…皆はゲームっぽいやつなのに、なんで僕だけ持久走なの…」秋彦はため息をついた。
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