『えぇ!?』
三人がハモった。
「冗談だ。」
高瀬がしれっと言った。
「まぁ。高瀬さんまで人をからかって…」
悠紀が胸を押さえて言う。余程ビックリしたらしい。
「あービビった…高は普段冗談なんか言わないから、ホントかと思ったじゃんか!」
葵も言う。
「…テストは常に背水の陣で当たれってことだ。」
高瀬は羽衣に言った。
「…はい…ごめんなさい。」
羽衣は殊勝な態度で謝った。
生徒会役員の行動は会長の責任になる。役員の成績が急降下すれば、いい加減な役員を任命したとして、会長の信任問題になる。
羽衣はそれで謝ったのだ。
「…まぁいい。次頑張れ。」
高瀬はぽんっと羽衣の頭を叩いた。
「そーだぞ、一ノ瀬!ママに怒られちゃうかも知れないんだろ?弱気になってる場合じゃないぜ?」
葵がニヤッと笑って言った。
「葵!」
羽衣が葵にポカポカと殴りかかった。
その様子を悠紀が微笑んで見ていた。
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