え…?どういうこと?
「ミッキーってさ、入学式、すっごくつまんなそうな顔してたじゃん?」
…まぁ確かに楽しくはなかったけど。
「この学校の生徒って大抵そういう顔してるもんだけど、ミッキーはもっとひどかったねぇ」
…ひどいってどんな風にだ?
「なんかもう、全てを諦めたような、今にも消えそうな感じでさ。」
……。
「危うい子だなぁって思って心配してたんだけど、なんか元気になったし。よかった、よかった」
担任はそう言ってポンポンと私の頭を叩いた。
そうして離れていこうとした。
私は無償に泣きたくなった。
ああ…私、やっぱりこの人が好きだ。
この人を捕まえたい。
この人がほしい。
たとえそれが、叶わぬ想いでも
伝えたい。
…私は手を伸ばした。
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