…両親にも理解を得られなかった私の行動を、この人ならわかってくれるんじゃないかと思った。
“無駄なことなんて一つもない”って言うこの人なら。
黒板でベクトルの説明をする担任を見つめながら考えていた。…ノートは真っ白だった。
「ミッキーってさ、勉強好きでしょ。」
授業終了後、担任に話し掛けられた。
…へ?別に好きじゃないけど。
「なんかすっごく真剣に聴いててくれるしさ。」
担任は照れたような嬉しそうな笑みを浮かべた。
心臓が跳ね上がる。
そ…っそんな顔、不意打ちだろぉ!
本当はあなたを見てるだけだよっ!ああ、これじゃテスト頑張んなきゃいけないじゃないか…っ!
私は担任の一挙一動に振り回されてる…。
はぁ…恋って厄介だ。
あ、またため息だ。
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