…両親にも理解を得られなかった私の行動を、この人ならわかってくれるんじゃないかと思った。

“無駄なことなんて一つもない”って言うこの人なら。

黒板でベクトルの説明をする担任を見つめながら考えていた。…ノートは真っ白だった。


「ミッキーってさ、勉強好きでしょ。」
授業終了後、担任に話し掛けられた。

…へ?別に好きじゃないけど。

「なんかすっごく真剣に聴いててくれるしさ。」
担任は照れたような嬉しそうな笑みを浮かべた。

心臓が跳ね上がる。


そ…っそんな顔、不意打ちだろぉ!
本当はあなたを見てるだけだよっ!ああ、これじゃテスト頑張んなきゃいけないじゃないか…っ!


私は担任の一挙一動に振り回されてる…。

はぁ…恋って厄介だ。

あ、またため息だ。

< 15 >

[1]次へ
[2]戻る

[0]目次

Tag!小説


トホーム