…そして三日後。

「…いきますよ。」

「…ああ。」


ルカは魔法を解いた。傷が開き、血が流れはじめる。
キトはそこに手を当てた。顔を歪ませ、治療に集中する。しだいに、流れ出る血の量は減っていき…


「…これでいいんだろっ」

キトは傷から手を離した。
そこには…何もなかった。

「…どうやら任務完了みたいだね。」
ルカがぼそっと呟いた。

ネリーはその台詞に引っ掛かりを感じた。けれど、何か問う間も与えず、ルカはキトを引っ掴んだ。

「じゃ!私、キトを送りに行きますねっ!」
そう言ってキトをズルズル引きずっていく。

「放せ!こら!」
キトは喚いた。

「…そうだ、ネリー。」
ルカはドアの所で立ち止まると振り返った。(キトの抗議を無視した。)

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