「はぁ?」
「あなたならわかるでしょう?ロザリア様に魔法かかってるの」
ルカが聞いた。キトはぶすーっとした。
「…俺に治せって言うわけね…」
「…あら。わかってんじゃない。」
ルカは言った。
「冗談!誰がやるか!人助けなんてまっぴらごめんだ!」
キトは、およそ治癒者とは思えぬ発言で拒んだ。
「………へぇー…ふーん…そんなこと言っちゃうんだぁ?」
暫しの沈黙の後、ルカはにたぁーと不気味な笑みを浮かべて言った。
「な…何んだよ……」
キトは何かいやーなものを感じながら聞き返した。
「今すぐ、あんたの父親のところに、十字架とニンニク送り付けてやるっっ!」
「…っ!!人でなし!!!」
キトが叫んだ。
「人じゃないのはあんたの父親じゃー!!」
ひゃひゃひゃとルカは笑いながら言い返した。
舌戦は続く。
ネリーは普段よりも数倍、嬉々とした様子のルカを呆れた思いで見ていた。
(…ルカ・イヴェール…なんか性格変わってないか…?)
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