Chapter.11 DOOR
ゴチッ。
「痛って!」
バレスは頭をぶつけた。
ぶつけた箇所をさすりながら辺りを見回す。
「なんだよ…ココ…」
宇宙のような無重力空間にいくつもの扉が、ありとあらゆる場所に浮いている。
斯く言うバレスもプカプカと浮かんでいる。
ガチャ。
近くの扉が開いた。
中から姿を現したのは…
「姫っ!」
バレスはロザリアに近寄ろうとした。ロザリアはその手をすり抜けて別の扉に入っていった。
「……?」
バレスは自分の手を見つめた。
(今、俺の手は姫の体を通り抜けた…?)
「触れないでしょう。」
バレスは声のした方を振り返った。
「魔法使い!」
ルカは空中で、頬杖をつき、寝そべるような格好でバレスを見つめていた。
「アレは"記憶"のようなものですから部外者の私達には触れませんよ。」
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