「苦情が出ています。とにかく、男子に愛想振りまくのはやめて下さい。」
「あら…それは誤解ですのよ?殿方に愛想振りまいた事などありませんもの。」
咲紅が心外だわと言う顔をする。悠紀は眉を寄せる。すると咲紅が言った。
「もう一つお聞きしますわ。なぜあなたが言いに来ますの?」
「私は副会長ですから。」
悠紀は短く答える。
「でも、おかしくありませんこと?一ノ瀬は優秀な方ばかりと聞いています。副会長さんなら尚更優秀なのでしょう?その方が、なぜ、10分程度の休みに、アポもなしにいらっしゃるのかしら?」
咲紅は芝居がかった言い方をした。しかも人の弱点をつくような事を理詰めしてくる。
「…何が言いたいのです?」
悠紀は嫌悪感を露にして言う。咲紅はフッと微笑んで言った。
「あなたは代表で来たんじゃない。…あなたは自分のために来たのよ。」
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