「…それにしても」
羽衣がちらっと後ろを見た。
「すごいねぇ、皆が避けてくぅ!」

メンバーの後ろにはボディガード(&高瀬)がいるから恐がって誰も近づいてこない。

「あぁー、オレも明日から組のヤツ連れてくっかな…」
頭を掻きかき葵。

「えぇ、なんでぇ?葵に危険なんかないでしょぉ。自分で倒せるんだしぃ」

「ちげぇよ。生徒からガードしてほしぃんだよ。あの噂堪えられない…」
葵は額に手を当て、仰ぎ見た。

「そんな理由じゃだぁめ!許可書出したげなぁい。」
羽衣が手を振りふり、すっぱり却下。

「何でじゃ!大体お前が出すんじゃねぇだろっ」

「だってぇそれじゃ面白くないもぉん!」
理事長の娘はそう言うとケータイを取り出した。

「あ、パパ?葵がなんか頼んできても聞いちゃダメだからねぇ?」
羽衣は先手を打っておいた。娘LOVEの理事長は二つ返事で承諾した。

「人の噂も75日だよ!」
羽衣はにっこり満面の笑み。
葵はしゃがみこみこんだ。秋彦は…もう諦めた顔をしていた。

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