「ご自分一人で解決しようとなさらないで下さい。私は側に居るだけの人形ではないのですから。」
少しは役に立つかもしれませんよ?そう言って悠紀は笑った。
高瀬も…笑った。
いつのまにか二人だけの世界になってしまった劇。
葵はぼーっと二人に魅入っているナレーターからマイクを奪って言う。
「えー…こうして、水上ミーナの強い想いにボスも心動かされ、学園は平和と“愛”に包まれることになりましたとさっ。おわりっ!」
適当にまとめ、急いで幕を下ろさせた。
客席からは二人に対する野次や冷やかし、女生徒の熱いため息などが聞こえてきていた。
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