「う…っ」
駿河が言葉に詰まる。すると黙って聞いていた高瀬が動いた。
「へえぇ?なるほど。それが理由ですか。」
笑いを含んだ声だが目が笑ってない。節々から怒りが感じられる…。
「ま…待て!高瀬!」
駿河は止めようとするがもちろん無駄で…
「そんな私情で俺を悩ませるなーっ!!」
「わー!」
親子喧嘩は勃発した(かなり一方的な)。


(…なんだかイメージと違う…高瀬さんのお父様…。)
などと悠紀が考えていると、それを読んだかのように有明が言う。
「子供なんですよ、プライベートになると。藤堂家の男の特徴ですね。仕事できるくせに、中身は子供。子供大人。」

「はぁ…」
きっぱりと言い切る有明に悠紀は気の抜けた返事をしか出来ない。

「高瀬様もいずれ、ああなるかもしれませんよ」
有明はにやっと笑った。

争いはまだ続く…。

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