そして2日目。見回り当番中。
葵は自業自得という言葉を嫌というほど痛感していた。
(あー…もう軽はずみな発言はやめよう…)
と考えていると、あの…と遠慮がちな声が。振り向くと7、8人の女生徒がいた。
「加賀様…私達、お二人の味方ですから…っ。お二人のこと応援しますわ!」
そう言うと女の子達はきゃっきゃ言いながら去っていった。葵はもう倒れたくなった。
(味方って…応援って…)
思わず頭を抱えてしまった。その背後から
「葵ぃ、お前にそっちの気があるとは〜」
と、纏わりついてきたのは中等部からの悪友達だ。

「まぁ、でも仙道ならわかるな!人形姿、めちゃ可愛かったしな。」

「中性的だし。仕草も可愛いしな。」

そんな友人達の会話を葵は暗澹たる想いで聞いていた。

(…オレはっ!女の子が好きなんだー!!)
心の中でそう叫んだ葵の耳にアナウンスが。

《高等部1Aの生徒は第一体育館に集合して下さい》
(ああ…劇の時間か。)
葵は頭を切り替えた。

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