「悠紀っ!」
高瀬は駆け出す。
おばけ屋敷でのカップルの定番(「俺がいるから大丈夫だよ」「高瀬さん…」)的な展開になるかと思いきや…


「グロいのは嫌ですーっ!」

そう言って悠紀は手を吹っ飛ばした…。
れっきとしたお嬢様♪護身術の心得ぐらいあるんです☆


………さて、高瀬出番なし!と思われましたが

「高瀬さぁん…っ」
うわぁーっと悠紀は泣き付いた。
普段は終始穏やかな悠紀だが、実は血を見るのが大嫌いなのだった。

「………。」
ポンポンっと抱きついた悠紀の背中を叩く。
そして廊下の片隅、悠紀に吹っ飛ばされた手の持ち主を高瀬は無言で睨み付けていた。

(睨んでる…!睨んでる!!)
葵はそんな様子を後ろから見つめていた。

(つーか、おばけの方がびびってるじゃん…)
ある意味、おばけより怖い二人を見ながら葵は呆れた顔をしていた。

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