高瀬の想像通り、生徒が潜んでいた。が、見破られていると判ってはやはりやりにくそうだった…。
「が…がぁー!」
生徒は物陰から飛び出した。
しかし、高瀬は無反応で葵は笑い、悠紀は申し訳程度に驚くふりをした。
生徒は居たたまれなくなって自らドアを開け「どうぞ先に進んで下さい…っ」と真っ赤な顔をして消え入りそうな声で言った。
「可哀相なことをしました…」
部屋からはなれた所で悠紀は言った。が、"可哀相なこと"をした張本人達は何とも思っていないらしい、数歩先でまた謎解きをしている…。
ハァ…。
悠紀はため息をついて、二人を止めようと足を踏み出した、その時。
「?」
ガシッと何かが悠紀の足首を掴んだ。見ると骨むき出しの手が…っ!
「きゃあ!」
悠紀が悲鳴を上げた。その声に二人は振り向いた。
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