「えっ!何!?高、霊感とかあったっけ!?」
なんか見えんの!?と葵が驚いて聞く。

「違う。…蝋燭が人形のすぐ側にあるだろう?」
高瀬は指差しながら言う。

「あれでは誰か見ていなくては燃えうつる。」
高瀬の指摘に葵はホーっと感嘆の息を洩らした。

「なるほどな!人の迷子を心配するような奴らが火事の心配しない訳ないもんな!」
葵が納得してうん、うんと頷いた。
その後ろで悠紀は

(おばけ屋敷なのになぜ…
なぜ謎解き探偵ごっこになってしまってるのでしょう…。)
と思っていた。

この方達と来たのは間違いだったかも…と考えていると二人が部屋の中から手招きした。
「水上ぃ、早く入れよ。逃げ道塞いでから脅かされた方がパニックになって面白いだろ?」
カカカと葵は笑った。

「そうですね…。」
悠紀はもう現実的な見方しかしない二人に諦めると、扉を閉めた。

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