会話なしで昇ること数分。二階に着いたが続く階段は荷物で塞がれ通り抜けできない。上へ行く階段はどうやら別の場所にあるようだ。
「さっすが階段の館。階段は1つじゃないってことか。」
葵が茶化すように言った。
「マスターキーを渡された事だし、何かドアを通過しないといけないんだろう」
高瀬が推測する。

「だーね。迷うって言ってたし。そんだけ複雑ってことでしょ。」
そう言って葵は廊下を右に進む。
「んじゃ、手当たり次第に開けてみっか。」
鍵穴にキーを差し込む。

カチャリ…。

「お!開いたぜ。」
葵はドアを押し開いた。数多くのアンティークドールが蝋燭の明かりで照らされている。非常に不気味だ。

「これは…居るな。」
葵の後ろから部屋を覗き込んだ高瀬が呟いた。

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