(しかし…わざわざ学校にかけてくる用ってなんだ…?あの父がそんなにしてまで直接話したい事って…)
高瀬が考え込んでいると、理事長が続けた。
「それで…伝言を預かって…ね。折り返し返事の…電話が欲しいそうだ。」
理事長の言葉はどこか歯切れが悪い。それにどこか高瀬を哀れみの目で見ている。
「……?」
訝しく思いながらも高瀬は伝言をメモした紙を受け取った。そしてすぐにデスクの上の受話器をひったくっるとダイヤルした。
もちろん父の携帯に…っ!
その頃悠紀は生徒会室にいた。なんとか高瀬に任された仕事を一段落させ、台本に目を通していた。
A組は今年、ステージ発表権に当たったため、劇をすることになっていた。
(生徒会で忙しいと言いましたのに…まさかこんな役をやるはめになるとは…)
悠紀は人知れずため息をついた。
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