「秋ちゃん、羽衣にはぁ?」羽衣が聞く。
「そうだよ、秋ちゃん。葵にはぁ?」
葵も羽衣の真似をして催促した。

「はいっ。こっちはゆーさん。」
秋彦はどっちも無視した。

「あ…!わざわざすみませんっ。ありがとうございます。」
悠紀も礼を言った。

『あーきーちゃんっ』
羽衣と葵がハモった。二人揃って手を出して待っている。が、やっぱり秋彦はスルーした。
「さぁ、仕事始めましょうか。」
秋彦は高瀬と悠紀に笑顔で言った。

『えぇー!!秋ちゃぁん…。』
二人は縋るような目をした。けれど秋彦は冷たかった。
「あげるとも言ってない内から開けちゃうような人にはあげませんっ。」
ぷんっとして秋彦は机に向かってしまった。

『秋ちゃん、秋彦さま、お願ーいっ!』
二人はその後何度となく頼み込んだが秋彦は口も聞いてくれなかった。

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