「甘いな…」
羽衣と葵がギャーギャー喚きあってる傍で、高瀬はひっそりと呟いた。高瀬は独り言のつもりだったが、悠紀はそれを聞き取った。

「あ…やっぱり。高瀬さん甘いもの苦手ですものね。」
悠紀は苦笑いを浮かべて言った。

「何か他の物をご用意いたしますね。」
そういって悠紀は席を立った。それを高瀬が止める。
「いい。食べられないわけじゃない。」

「でも…」

「悠紀が作ったものならちゃんと食べる。」
そう言うと高瀬はスプーンを口に運んだ。悠紀は嬉しそうに笑って腰を下ろした。

「ちょっとこの部屋暑くなぁい?」
「そうそう。暑ちぃ暑ちぃ!」
何時の間に言い合いを止めたのか、羽衣と葵は二人して扇ぐ真似をした。

「誰かさん達がラブラブだからなー」
「そうそう。誰かがねぇー」

はー、暑い暑い!と言いながら、冷房がガンガンにかかった部屋の中、独り身同士の二人は自分の仕事スペースへと戻っていった。

< 18 >

[1]次へ
[2]戻る

[0]目次

Tag!小説


トホーム