「葵さーん!お探しの資料はこれですかー?」
悠紀が中二階の柵から乗り出して聞いた。
高瀬より仕事が少なく、要領もいい悠紀は自分の仕事を終わらせて、今や庶務と化していた。
「お?あー…そう!それ!」
その言葉に悠紀は階段を降りてゆく。

「サンキュ。」
葵は悠紀から手渡された資料を受け取った。その拍子に山が崩れた。
「あ゙っ!くそ!」

拾おうと立ち上がった椅子が羽衣の机にぶつかって二次災害が起きた。もう拾う気もしない。

「…休憩にしましょうか。」
悠紀が言った。

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