下剋上とは高等部生が現・生徒会に勝負を挑み、成功すると無条件で新・生徒会が作れると言うものである。元来、生徒会は学年トップクラスの優秀な人間で構成されているため、下剋上は難しく、成功した例はなかった。それを悠紀は高瀬と共に仕掛け、成功させ、学園初の1年生による生徒会を作ったのだ。

「秋彦さん、葵さん、お飲み物をお入れしますが紅茶でよろしいですか?」
悠紀が笑顔で二人に声をかけた。

「……。まぁ、普段は優秀さの片鱗も感じられないがな…」
葵がボソッと呟いた。

「…?何かおっしゃいましたか?」
悠紀がキョトンとして聞いた。

「……紅茶より緑茶の方がいいって言ったんだよっ。」
あ゙ー、羊羹食いたい…そんなこと言いながら葵は机を離れた。

「こらぁ!ワガママ言うなぁ!葵の紅茶、砂糖大量に入れてやる!」
羽衣が紅茶の用意をしながら喚いた。

「あ!てめっ何するっ!」
葵が止めようと急いで駆け寄った。秋彦も笑いながら立ち上がった。

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