ぶーっと羽衣は膨れた。
「親の後始末は必ず子供にくるんだからっ」
そう言うとぷいっとそっぽを向いてしまった。
(もうっ!面白くなーぁい!!)

羽衣が面白くないのはそれだけじゃない。
(なんなの!秋ちゃんてば!近頃葵のことばっかり!)
秋彦は羽衣にとって弟のように可愛がってた存在。なのに最近ではことあるごとに葵、葵。それが羽衣には気に入らない。
(なによ!この間まで高等部からの編入で友達出来るか心配だって羽衣に言ってたくせにいぃ〜!)

くわっと葵に向き直ると羽衣は高飛車に宣言した。
「しょうがないからこの羽衣自らが教えてあげるわよ!せいぜい当日、学園の恥にならないようにすることね!」
フンッと言い切った羽衣。すると秋彦は満面の笑みで
「よかったねぇ、葵!」

(…っ!絶対扱く!徹底的に厳しくしてやるぅ〜!)
羽衣が決意を固めた瞬間だった。

< 9 >

[1]次へ
[2]戻る

[0]目次

Tag!小説


トホーム