「文化祭の話だよ〜。B組はねドールハウス喫茶やるの。」
羽衣が上を見上げながら言う。
「それでね着る衣裳の話。可愛いでしょ」
そう言って羽衣はひらひらのお人形服を振ってみせた。
「秋も同じの着るんだよな。」
葵は秋彦の頭をポンポンと叩きながら明らかに笑いを含んだ声で言った。
「全員でフランス人形の格好をするのか?」
高瀬が普通に聞き返した。
秋彦は葵の手を払い落として答える。
「…っもう!
…違うよ。男子は皆ウェイターなのに僕だけコレなんだ…」
秋彦はしょぼくれた顔で衣裳を摘んでいた。
「ただいま戻りました。」
そう言って生徒会室の扉を開けたのは水上悠紀。長い黒髪の美人サン。期末では高瀬同様、変動なしの2位だった。水上財閥の総裁の長女である。
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