「えぇ〜?秋ちゃん嫌なの?こんなに可愛いのに。羽衣はB組落ちしてラッキィて感じだけど。」
二人の会話に割り込んだのは一ノ瀬羽衣。期末43位。小柄で可愛い系。茶色の猫っ毛を高い位置で二つに結んでいる。理事長の娘で秋彦とは幼なじみだ。

「羽衣ちゃんは女の子だし、こういうの似合うけど僕は男だよ?絶対変だよ…」
秋彦がうなだれた声で言った。

「だぁいじょうぶ!秋ちゃんなら似合うって!」
羽衣が請け負った。

「そうだな。秋はそうゆうの本当似合うよ。」
葵がにんまりとして言った。
「……っ」
秋彦が言い返そうとした時、生徒会室の中二階(資料室になっている)から声がした。

「さっきからいったい何の話をしている?変だとか似合うだとか聞いてるだけじゃ話が全く読めないが。」
声とともにヒョイと手摺りから顔を覗かせたのは、全校生徒の憧れの的、学年1位の生徒会長、藤堂高瀬。藤堂グループの御曹司である。

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