「嫌な奴…」
私はそぅ呟いてそっぽを向いた。
でも、たいして気にした様子をみせない。なんかちょっと寂しい。今まで傍にいたのが、言い返してくる人だったからなのかな?それともこの人だから…?
…それはありえない。
まぁ…ちょっとカッコイイ顔だとは思ってるけど。
性格、嫌な奴だし。
話しにくいし。
無口で無表情だし。
でもそんな所が、この人のかっこよさなのかも…。
こういう人を『クールな人』っていぅのかな…?
私は夏川くんのほぅをそっと見つめた。そぅしたら、偶然夏川くんもこっちを向いていた。

目…あっちゃった…

なんか恥ずかしいから、目をそらしてしまった。
「な…何ょ?ジッと見ちゃって」
「悩みあるって聞いたから…。話だけでも…って思っただけだょ」
「…気にしてくれてたんだ」
なんか…ちょっと嬉しいかも。
「言いたくないなら、言わなくていいけどさ」
夏川くんはちょっと赤くなってそっぽをむく。
もしかして照れてる…?
「言いたくないけど話すょ。長いけど大丈夫?」
彼は無反応だった。

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