…やられた。
その、笑顔に。
…今夜は寝られないかも。
「一希〜!」
春華の声がする。
そぅか…今の彼女は…。
「あれ?雪奈ちゃん…」
春華がアイツと俺を順番に見て、ジトーッとした瞳を向けた。
これは明らかに『浮気?』だ。
「これは…その…そんなんじゃなくて…」
かなり焦った。
たぶん彼女が助けてくれなかったら、終わりになってただろぅ。
「お茶会に誰も来ないから…二人でどぅかなって」
「なんだぁ…」
春華は安心したよぅに溜め息をついた。しかし、それからはいつも以上に話しかけてきて、くっついてばかりいた。多分不安だったのだろぅ。
だから当然、アイツの機嫌は最悪で、とても早足に歩くので追い付けないほどだった。
…彼女がこんなに不安がってる時まで、アイツのことを気にしてる。怒ってるのかな?とか、口聞いてくれなくなったらどぅしよぅとか。こんなこと考えてるから、春華が不安になるんじゃないか。彼女にそんな思いをさせている自分は、最悪な奴だと思う。
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