「夏川くんこそ…なにしてんのょ?」
びっくりした私は、思わず聞き返した。
「…遊んでた」
彼はあっさりと言った。
「って…これで?」
私は、落ちていたビービー銃を拾いあげて言った。
「小学生みたい…意外だね」
思わず口に出てしまった。
私の中では、夏川くんはクールで大人な人ってイメージがあったからだ。
「…でお前は?」
「え?私は…」
私は返事に困ってしまった。
まさか、泣いてたなんて言えないし…。
「私は…」
「泣いてた、とか?」
ギク…
コイツ…人の心が読めるのか…?
「知ってるょ。さっきから見てたし」
えっ…気づかなかった…。
なんか恥ずかしくなってきたな…。泣き顔、見られちゃったし。
「…別に誰にも言わないからさ」
…と、いきなりよくわからない奴に言われても…。でも、何故か安心できた。彼の口ぶりに、バラしそぅな雰囲気がなかったからだろぅか。

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