「それより…その格好…」
「は…?」
あっ…そぅいえば!
私、まだ着物のままだった…
「茶道部だからね。」
「…似合わねぇ」
うわ…正直といぅか、失礼というか…。
「…もぅ少し、『似合ってる』とか言えないの?」
「本当のことだから仕方ないじゃん。俺、正直な人だから嘘つけないし」
はぁ…
なんなんだろぅか…コイツは。
よくわからないけど、もしかして嫌なヤツなのか…?
「まぁ…たしかに似合ってないけどね」
私はそぅ言って溜め息をついた。
「春華ちゃんなら、似合ったんだろぅな…」
思わず、口から出てしまった。
「春華って…藍沢?」
「そぅ。西崎くんの彼女」
「ふぅん…」
夏川は興味なさそぅに言った。
「どっちでも一緒だょ」
「でも、西崎くんは…。」
自分でも意識しないうちに、話していた。私の心の中を。このよくわかんない嫌なヤツに。
「西崎くんは…私なんかより、春華ちゃんだったほぅが…」
しかも、涙まで出てきた。

< 43 >

[1]次へ
[2]戻る

[0]目次

Tag!小説


トホーム