お茶室に行くまでの間、西崎くんはずっと春華ちゃんとの話に夢中だった。私のことなんて気にも止めてない。
何ょ…さっき『カワイイ』とか言ったくせに。
腹が立っていた私は、自然に早足になっていたらしい。お茶室の前にきたときには、二人ともずっと後ろのほぅにいた。
「そこ!廊下でイチャイチャしない!みっともない!」
苛立ちまぎれに言うと、
「何それ…お母さんみたい」
と春華ちゃんは笑い、西崎くんはちょっと申し訳なさそぅな顔をした。
「うるさい!どぅせ昭和の人ですから」
「雪奈ちゃん大丈夫!高2は平成入ってる!」
「……ついてけない」
私達の意味不明な会話に、西崎くんが飽きれ混じりに呟いた。
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