その上、そのせいで拾ったチラシがまた飛んでしまっていた。
着物のすそを直しながら、拾おうとすると…
パッとそれを奪われた。
奪ったのは西崎くんだった。
「あっ…西崎くん!拾ってくれてありがとぅ」
…なんか違う気もするが、とりあえずお礼を言っとく。
「あっ…どぅも」
西崎くんは、訳がわからないまま頷いた。
「…で、それが噂の…」
私の着物姿を見ながらそぅ呟いた。
『似合わないでしょ?』の『にあ』まで言った時だ。
「すごく似合ってる」
西崎くんが笑顔で言った。
うわ…
どぅしょ…すごい嬉しい!
「かなり可愛いと思う」
うわ…うわ…
嬉しすぎて壊れそぅ…。
「そ…それは言いすぎ…じゃないかな?ていぅか…彼女に怒られるよ!」
「あっ…そぅだ!…じゃぁ今のは秘密ってことで」
「うん…わかってる」
うつむいたまま言う。
「ありがとぅ。すごく嬉しい!」
今度は顔をあげて、笑顔で言ってみた。
「別に…」
西崎くんは照れたよぅに言った。
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