二人だけにしとくのは辛いけど…隣でいい雰囲気になられるのは、もっと辛いからね。

あたしがその場から消えても、二人は黙っていた。
でも、しばらくすると話しはじめた。
台所とリビングがつながってる家なので、全部筒抜けで聞こえる。
まず、最初は由加が話しかけた。
『私のこと…覚えてる?』
『忘れるわけないじゃん』
春樹の声も聞こえる。
それから、何やらあたしにはよくわからない話題をしはじめた。
…つまり二人だけの世界ってことね。
こんな雰囲気じゃ、戻りづらいなぁ…。

< 31 >

[1]次へ
[2]戻る

[0]目次

Tag!小説


トホーム