―春輝視点―
真夜中__
押し入れの扉をたたく音で僕の目が覚めた。
由加さん…?
それとも見つかった…?
もし、見つかって追い出されてしまったら、もぅ二度と由加さんに会えないかもしれない…。

「起きてる…?」
由加さんの声がして安心した。
「ゴメンね。起こして。でも、聞いてもらいたいことがあるの。」
聞いてもらいたいこと…?
何だろう?
「眠いならいいよ?」
気を使った由加さんの声。
今は僕を気遣うよりも、早くその『聞いてもらいたいこと』が聞きたいょ。
なぜかわからないけど…。
由加さんが僕に心を開こうとしてるみたいな気がしたから…。

< 29 >

[1]次へ
[2]戻る

[0]目次

Tag!小説


トホーム