ブルーな日はお酒が一番。酎ハイをかごに。

「加藤も飲むんだな」
藤野だった。高校の私からは想像できないだろう。真面目でしたからね。

「結構いける口なのょ?」
事実だ。そんな女、可愛くない。いや、そこで酔ったふりを出来るかどうかの問題か?

「一緒に飲まない?どうせお前一人だろ?笑」
痛いトコをつくヤツだ。
ちょっと迷ったが答えはYesにした。たまにはいいかもしれない。高校の時の話でもしながら。

きれいだった、と言うより何もなかった、低めのテーブルにノートパソコンとテレビのリモコン。テーブルを囲むようにベージュ色のソファー。シンプルだけどセンスがいい。お酒を飲みながら、当時の話をした。話の合間に素敵な部屋だね、と言った。彼は万更でもないように笑顔を見せた。居心地が良かった。あの人と別れてからこんな夜は久しぶりだった。

「また飲もうなぁ〜」

「うんっ」
本当にそう思った。楽しかったから。

「健ちゃん、送ってくれてありがとうね。」すっかり『健ちゃん』だ。お酒の力は凄い。しかし、泊まってくるような馬鹿ではない。『健ちゃん』だってそのつもりはなかっただろう。


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