「欝(うつ)。」
電話の奥で藤野が言う。私に相談したいって?お客さん。いつからか、相談を受けることが多くなった。こんな時はいつもこうする。普段の加藤真乃から親切な私に変身、と。

「どうしたの?愚痴くらいなら聞いてあげられるょ?」
あーぁ。またイイコぶっちゃった。本心からとは思えない台詞。でも、私だって心底腐ってはいない。本当に心配してる部分もあるんだょ?3割りぐらいは。


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