彼の友人がこう言った。
「あいつ、成り行きに任せる、とか言って振られてやんの」
傷ついたことも知らず笑っていた。
他人から彼の気持ちを聞かされるなんて…。私のことはどうでもいいと言われたようだった。
職場を変えた。なんて小心者なんだろう。嫌気がさす。看護師を雇ってくれるところなんて、あふれるほどある時代だ。転職も引っ越しも簡単にすんだ。一人暮らしはやはり身が楽だ。

『成り行きに任せる』

恋人との関係において、この言葉はなんて無責任な言葉なのだろう。相手に決断を委ねるなんて。二度と聞きたくないと思った。


< 4 >

[1]次へ
[2]戻る

[0]目次

Tag!小説


トホーム