パシン―…!



気が付いたら私の手はあの人の頬をとらえていて、手のひらに少し痛みが残っていた。

私は目を丸くするあの人の顔を確認すると、顎を少し上げ、見おろすように口を開いた。


「女をなめんなっ!!!」


今までの人生で、初めてなくらい大きな声で文句を言ってやった。

呆気にとられているのはあの人だけではなく、私は真の手を引いて走り出した。

心地よく冷たい風。

指先には温かく大きな手。

夜空には三日月。

最高の日だった。

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