しどろもどろする私を見て真は眉を下げて笑った。


「まぁ、こうやってラーメン誘ってもらえただけでもいいや」

「真っ…私…」



「利砂子?」




鼓動が高鳴った。

私の名前を呼ぶ、もう忘れかけてた声。

恐る恐る後ろを振り返ってみる。


「あ、やっぱりそうだ」

「………高嶋…さん」


消えそうな声で口にする名前。

今更、あの人と会うなんて思ってなかった。

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