青木先輩の言う"お高いイメージ"そのままの女だったはず。
そうじゃなくなったのは……
真、あんたのおかげだね。
電車で移動したり、クラブにいったり、部屋で料理作ったり、普通のおしゃれなレストランで食事したり…それが学生の頃の私に戻してくれたんだね。
「利砂子…俺さ」
「先輩!」
「ん?」
「私、この後用事があるんです」
「え?あぁ、そうなんだ」
「送ってもらっていいですか?」
「おぉ」
もうこの後のパターンは分かってる。年上ばかり付き合ってきたんだから、似たような経験はたくさんしてきてる。
昔から兄貴分の先輩。
あの人と同じようなことにはなりたくない。
「送ってもらってすいませんでした。ご馳走様でした」
「おぉ。これから誰かと待ち合わせ?」
「そんなとこです」
「だからあんまり食べなかったのか」
くっくっと喉を鳴らしながら笑う先輩は最初からお見通しだったのかもしれない。
「恋愛相談ならまたのってやるよ」
「もうそんなに子供じゃないです〜」
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