真がそういう子だと分かっていたのに、「何を言われるんだろう」と自分のことばかり考えた自分自身が許せなかった。
何も変わらない真のメールに胸の奥が苦しくなって、私はしばらくそのメールを見つめていた…。
「お昼行ってきまーす」
いつもは会社の女の人たちと昼食を食べていたが、この日は気分的に一人で食べに出てみた。
たくさんの人で溢れるこの街で、この人の流れの中に私は戻ってきた。
だけど、プライドで固められたあの頃の私とはどこか違って柔らかい表情をしている。
真のおかげなんだろう。
真との出会いは無駄じゃなかったね。
真たちとの季節とは違う風が肌をかすめていく。あの頃を思い出す私を呼び止める声は………
「利砂子さん?」
そう、こんな風に街中で名前を呼ばれるのは前にもあった。
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