仕事から帰るとまずはお風呂の準備をして、ビールを飲む。

そしてベランダに出て煙草をふかしながら夜の街を眺める。

それが私の日課だった。

ただ、一ヶ月前と変わったのは真と電話をしなくなったこと。

いや、元の生活に戻っただけなのかもしれない。


♪〜♪〜〜♪〜



鞄の中から聞こえてきた着信音に煙草の火を消し、部屋の中へ戻った。


「何だ、メールか」


後で返そうと思った私の手は携帯に表示された名前に引き止められた。


「……真」


一ヶ月ぶりの連絡。
メールの内容は何だろう。
どうしよう…。

不安と自己嫌悪が一気に私の中に広がっていった。

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