「…何?」
「別に〜」
「何よ?言いたいことあるなら言ってよ」
「………たださ」
すでに少し酒が回ってる由利は一つ一つ確認するように口を開く。
「ただ、理想と現実はいつだって違うじゃん」
「…………」
「私、今付き合ってる人いるんだけど…」
「その話聞いてないけど!」
「あぁ、うん。話してなかったね」
由利は恋多き女で、不特定多数の男の間をふらふらしてるというのが今まで聞いてきた話。
しかし、実際のところ長続きせず、『不特定多数の男』のメンバーもころころ変わっていた。
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