「飲み会さぁ、来週の金曜日の夜なんやけど来れる?」
「あー無理かもね」
「仕事?」
「それもあるけど…若い子たちの中におばさんが入るのもね」
眉を下げながら笑うと真はきょとんとした顔をし、すぐにケラケラ笑いだした。
「全〜然!みんなりさこさんのこと好きやー言うてたもん」
会社にいた頃散々接待をしてきたおかげだろうか、どうやら愛想付き合いはうまいらしい。
一歩前を歩いていた私はピタッと足を止め、振り返り「もう終わり!」と言った。
「………え?」
「"彼女ごっこ"は終わり!」
「……終わりって」
「私は彼女じゃないし、もう会うのもやめよう!言ったでしょ?年下は範囲外って」
「…………」
妙なテンションで言う私に真は黙りこくった。
真は真っ直ぐ私の目を見る。
私は思わず目を逸らした。
見透かされてしまいそうだったから…。真剣な目をする真は、大人の男だと主張しているみたいだ。
「仕事だからもう行くね」
「待ってーや」
「……何?」
「俺、りさこさん好きやし」
< 74 >
[1]次へ
[2]戻る
[0]目次
Tag!小説
トホーム